国土交通省は、建設コンサルタント業務の発注時に、技術士と国交省登録資格の組み合わせを総合評価で加点する取り組みを2024年度にさらに拡大する。登録資格のうち、RCCMと土木学会認定技術者以外の有資格者を「専門的な知識をもつ資格」として評価した23年度の成果品質を検証し、今後の試行に生かす。
組み合わせ加点は、業務の発注時に総合評価落札方式の管理技術者や、プロポーザル方式の担当技術者の保有資格を評価する新たな手法。技術士と、国交省登録資格の組み合わせに応じて段階的に加点する。技術士は「幅広い技術的な知識」を示す資格のため、同様の性格のRCCM・土木学会認定技術者は登録資格であっても23年度から加点を行わないようにし、それ以外の登録資格を「専門的な知識を持つ資格」として加点することにした。
23年11月までに57件で試行し、このうち18件が組み合わせ加点を受けた受注となった。具体的には、地質調査業務では地質調査技士資格、砂防堰堤設計業務では砂防・急傾斜管理技術者との組み合わせで加点した例などがあった。
国交省では今後、対象となった業務の成果品質を確認し、組み合わせ加点の効果を検証する。発注者へのアンケートも行い、評価に加えてさらなる試行の拡大も検討。受注者の登録資格取得状況なども確認し、今後の試行の実施方針を固める。
登録資格制度は14年度の開始以降、23年度までに「点検・診断等」の18分野、「計画・調査・設計」の21分野、「横断型」の1分野を定めた。資格数は毎年度増加を続け、22年度までに延べ366資格を登録。このうち点検・診断業務が276資格と7割以上を占め、資格保有者は延べ10万人に達した。計画・調査・設計業務は90資格、資格保有者数7万人となっている。
国交省は高い専門性を持つ技術者を適切に評価することで、成果品質のさらなる向上に生かす考えだ。
提供:建通新聞社