国土交通省は4月2日、2024年度当初予算に盛り込まれた公共事業費の執行方針を決定し、事務次官名の通達を地方整備局などに送った。4月から時間外労働の罰則付き上限規制が建設業に適用されたことを受け、公共工事従事者の長時間労働の是正を徹底するよう要請。適正工期の確保や週休2日工事の推進、施工時期平準化に取り組むよう求めた。
通達では、国庫補助事業を受けた民間工事についても適正工期を確保するため、迅速に交付決定するよう求めた。
23年度から原則全ての詳細設計・工事で適用しているBIM/CIMや、22年度から本格化した遠隔臨場に積極的に取り組むよう求め、インフラ分野のDX推進を促した。
担い手の確保・育成では、国交省から建設業団体に技能労働者への適切な賃金水準の確保、社会保険加入徹底を要請したことを踏まえ、最新の積算基準・歩掛の適用、実勢単価の把握に取り組むよう求めた。材料や燃料費の高騰に対しては、最新の取引単価を反映した適正な請負代金の設定に加え、納期遅れにも対応した適正な工期の確保、スライド条項の適用を含めた契約変更への対応が必要だとした。
能登半島地震の被災地域では、災害復旧事業の円滑実施に向け、公共工事の前金払いの迅速化・弾力化による工事代金の早期支払いを求めた。
事務次官通達は、国交省所管の公共事業などの執行方針を地方整備局や独立行政法人などに指示するため、予算成立後に発出する。交付金・補助金などを執行する自治体にも参考送付する。
提供:建通新聞社