政府は、特定技能の在留資格により、建設分野で2028年度までに受け入れる外国人の見込み数を最大で8万人とする方針を決めた。19年度から5年間の見込み数としていた3万4000人から、2倍以上に拡大した。
新たな受け入れ見込み数は、今後5年間に建設分野で不足する人材数を基に算出した。全体で24万人程度の人手が不足すると推定した上で、処遇改善により国内人材を追加で1万人確保するとともに、ICT活用により15万人分に相当する生産性向上を達成するとし、それでも足りない8万人分を特定技能人材で補う計算だ。
政府は建設分野の受け入れ見込み数引き上げとともに、新たな受け入れ先として▽自動車運送業▽鉄道▽林業▽木材産業―の4分野を追加。建設分野を含めた特定技能外国人全体の受け入れ見込み数は5年間で82万人とし、19年度から5年間で見込んでいた34万5000人の2・4倍とした。新たな産業分野の追加により、今後は産業間で外国人材の獲得競争が激化しそうだ。
特定技能の在留資格を取得した外国人の9割以上は、技能実習からの移行となっている。政府は今国会に、技能実習を在留資格「育成就労」に見直し、特定技能の入口として明確に位置付ける法案を提出した。育成就労制度の下で、適正な受け入れ・育成環境を整備し、安定的な人材確保につなげる。
提供:建通新聞社