国土交通省は3月29日、地方自治体の入札契約適正化の取り組み状況を地図上で“見える化”し、容易に比較できるようにした「入契適正化マップ」を公開した。これまで個別に公表していた、施工時期の平準化や工事・業務のダンピング対策などをまとめて把握できるようにし、自治体間の情報共有や、業界団体との意見交換に生かしてもらう。
これまで自治体の入札契約適正化に向けて国交省が可視化してきた内容を、一元的に閲覧できるポータルサイトとなる。マップ形式で▽施工時期の平準化▽週休2日工事の実施▽工事のダンピング対策(最低制限価格、低入札調査基準価格の算定式の設定水準)▽業務のダンピング対策(最低制限価格または低入札価格調査の導入状況)▽入契法に基づく義務付け事項の実施―を可視化し、取り組みの進展を容易に把握・比較できる。個々の自治体の基礎情報や取り組み状況を「入契カルテ」としてまとめ、サイト上で閲覧できる。平準化やダンピング対策などの内容ごとに、全国の状況をまとめた最新の詳細資料も公開した。
施工時期の平準化については、2022年度分の取り組み状況を公開。4〜6月の月平均工事稼働数を年間の月平均工事稼働数で除した平準化率は、全国の市区町村の平均が58%となり、前年度から4ポイント低下した。マップでは、県単位で設定している平準化率の目標(県域目標)も確認できる。
工事のダンピング対策は入契法に基づく23年度の実施状況調査の結果から見える化。最低制限価格制度と低入札価格調査制度のいずれも未導入の自治体は1団体減り、72団体となった。自治体ごとに、ダンピング対策を実施している工事の割合を実施率として示している。
業務のダンピング対策は発注関係事務の運用指針に基づく23年度の調査結果から見える化。4月から引き上げる直轄業務の低入札価格調査基準の算定式も参考として記載し、自治体の対応を促す。
提供:建通新聞社