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2024/02/15

女性の定着促進へ 次期行動計画を探る

 建設業で働く女性技術者・技能者でつくる「建設産業女性定着支援ネットワーク」(事務局・建設業振興基金)の全国大会が2月13日、東京都内で開催された。ネットワークに登録する団体の代表者らがオンライン形式と対面形式でグループ意見交換を実施。建設業のさらなる女性定着を目指し、国土交通省がまとめる「女性の定着促進に向けた建設産業行動計画」の次期計画に盛り込むべき事柄を探った。
 全国大会では、建設産業女性定着支援ネットワークの取り組み状況の報告後に、参加者を対面形式の4グループと、オンライン形式の3グループに分け、意見交換を実施した。具体的には、2024年度末に目標期限を迎える「女性の定着促進に向けた建設産業行動計画」の次期計画に盛り込むべき事柄について議論。「働きやすい現場の労働環境の整備」と「建設産業の魅力、働きがいの発信などによるイメージ戦略」の2テーマに絞り、女性の定着促進を妨げているボトルネックとその解決策を考えた。
 働きやすい現場の労働環境の整備では、快適トイレの活用状況や必要と思われる設備、生理休暇などの制度の活用状況や取得に際しての障壁について話し合った。快適トイレについては、「今、推奨段階なら、次の段階として設置義務ぐらいにしないと100%設置は難しい」「トイレと更衣室をセットで使える環境も必要。特記仕様書に明記して設置が当たり前になるようにするべき」といった意見が出た。生理休暇については、「男性の経営者や上司に女性特有の健康問題を理解してもらう必要がある」とした。
 一方、建設産業の魅力・働きがいの発信などによるイメージ戦略では、若年者向けの魅力発信の取り組みと今後の課題について議論。「工業系の高校・大学、また、声が大きい、筋肉があるというこれまでのイメージだけでなく、建設業ではデジタルに精通した人たちも必要といったアピールが大切」「業界全体をかっこよく紹介するツールを作ってほしい」といった意見が出た。
 国交省では、建設産業を男女問わず誰もが働きやすい業界にするための取り組みに力を入れている。次期計画の策定に向けては、建設産業女性定着支援ネットワーク検討会で課題を整理した上で、有識者による計画検討会を立ち上げ、24年度中の策定を目指すこととしている。意見交換の結果は、次期行動計画に盛り込むべき事柄の素案とし、今後の計画検討会につなげる。
 全国大会の冒頭、国土交通省不動産・建設経済局の楠田幹人大臣官房審議官は「担い手不足は、業の維持存続に関わるぐらい深刻な状況になっている。他の産業に負けない魅力が必要であり、女性の視点として、やりがいを感じられるような意見をいただき、男性も含めた働きやすい環境づくり、担い手の確保につなげたい」と述べた。

提供:建通新聞社