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2024/01/25

経営者保証なしの新制度 上乗せ負担の軽減措置も

 経済産業省は、経営者個人に企業の連帯保証人となるよう求める「経営者保証」がなくとも、保証料率を上乗せすることで信用保証を受けられる新制度を創設する。さらに、制度の活用を促すため、上乗せする保証料の一部を国が3年間に限って補助する時限的な負担軽減策も整備。申し込みに先立つ事前審査を2月16日から開始する。
 経営者保証は事業承継や創業の障壁にもなることから、国は経営者保証に頼らない融資の普及に取り組んでいる。経営者の平均年齢が60歳に近い建設業にとっても、事業承継をしやすい環境整備は重要課題だ。しかし、中小企業の資金繰りを支援する信用保証融資の7割程度では、経営者保証が今も求められている現状がある。
 そこで経産省は、保証料率を上乗せすることで、通常よりも緩和された要件で信用保証を受けられる制度を整備することにした。対象は、▽過去2年間の貸借対照表や損益計算書などの書類を提出している▽直近の決算書で代表者への貸付金がない▽直近の決算で債務超過でないか、直近2期の決算で減価償却前経常利益が連続して赤字でない―などの要件を満たす中小企業。
 新制度を活用するには、通常の保証料率に、決算状況に応じて0・25%〜0・45%を上乗せしなくてはならない。
 この負担を軽減するため、昨年11月に決定した総合経済対策の一環として、3年間に限って保証料の一部に相当する金額を国が補助する仕組みを整えた。申し込みの時期に応じ、2025年3月までは0・15%、25年度は0・1%、26年度は0・05%を補助する。3月15日から申し込みを受け付ける。
 総合経済対策としてはこの他、日本政策金融公庫などによる中小企業向けの資金繰り支援策であるコロナ資本性劣後ローンについて、黒字額が小さい事業者の金利負担軽減措置を2月16日から講じる。

提供:建通新聞社