経済調査会によると、同会が12月調査に基づいて算出した全国の建設資材価格指数(2015年度平均を100とした指数)は、建築・土木総合が前月から0・2ポイント上昇して153・2になった。総合指数の上昇は2カ月連続。前年同月に比べると3・6ポイントの上昇で、36カ月連続で前年の同じ月を上回っている。
工種別の指数は、建築は前月と比べ0・2ポイント上昇し155・4、土木は0・3ポイント上昇して149・6になった。
資材価格を品種別に見ると、軟調な原油相場の影響を受けて瀝青材が下落基調に転じたが、生コンやコンクリート2次製品は引き続き各地で上昇。加えて、コンクリート用砂などの骨材も、製造・輸送コストの上昇を販売価格に転嫁する動きが強まり、東京・大阪といった主要都市で上昇した。骨材の上昇は生コンなどの製造コストを押し上げるため、同会では、今後もコンクリート製品は強基調で推移する可能性が高いとみている。そのため、全体の指数の上昇傾向が今後も続くと予想する。
主要7都市の都市別の総合指数は、▽札幌153・1▽仙台130・6▽東京151・7▽名古屋150・2▽大阪173・2▽広島144・1▽福岡155・9―。
12月調査で骨材市況が一段高くなった大阪が0・7ポイント上昇した。一方、普通鋼鋼材市況が軟調に推移した仙台と東京は前月と比べマイナスした。その他は前月と変わらず。
能登半島地震の影響が懸念される北陸では、金沢が139・0、富山が140・4、新潟が137・0と全国平均を下回っている。しかし、震災復旧に向けて荷動きが今後活発化することが予想され、価格指数の動向が注目されるとしている。
最新の1月調査の主要資材の動向を東京地区で見ると、軟調に推移してきた杉正角材が27カ月ぶりに上昇した。原木の品薄感の強まりから原木価格が上昇したことによるもの。
また、海外相場の影響で鉄スクラップが上昇。元売り卸値の価格転嫁が進んだ軽油も上昇した。先行きについては、主要15品目全てが横ばいで、東京地区の市況は落ち着いた動きだとしている。
提供:建通新聞社