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2024/01/11

安衛経費の確認表 3割超が作成

安全衛生対策経費の元下間の負担区分を明確にする「確認表」について、国土交通省が各専門工事業団体での作成状況を調べたところ、3割超の団体で作成していることが分かった。国交省では、各団体に対して、先行的に作成した確認表と説明書を参考に、確認表の活用を進め、安衛経費の適切な支払いにつなげるよう要請している。
 当初の要請から4カ月を経た2023年12月に国交省が専門工事業団体の取り組み状況を調査した。約90団体に聞き取りし、73団体から回答を得た。このうち「作成済み」が14団体(9月調査時10団体)、「参考ひな形を使用」が7団体(7団体)、「作成中」が16団体(16団体)となり、全体の約3割超の37団体が作成に取り組んでいた。一方で、17団体(25団体)が「作成するか対応を検討中」、6団体が「作成しない」、13団体が会員各社に対応を任せるなど「その他」と回答した=表参照。
 このうち、「対応を検討中」とした団体からは、「働き方改革で作成書類の簡素化を図っているところで、新たな作成書類が増えることに抵抗がある」「仮に確認表を作成しても位置付けは任意のもので、活用も事業者団体内に限られる」といった意見が出た。
 「作成しない」とした団体は、「検討してきたが、会員会社の所在地が全国にまたがっており、また、個々の会社の規模に大きな差があるため、協会として統一したひな形での作成を断念した」などの理由を挙げた。
 「作成中」とした団体からは、「安全衛生経費を内訳明示する標準見積書の参考ひな形が示された後、併せてまとめていく」「地場ゼネコンやデベロッパーの理解が進んでから運用しても遅くない」といった声も上がった。
 確認表は、元下間、下下間の請負契約時に、当該工事で必要となる安全衛生対策を確認しやすいよう、工種ごとに標準的な対策項目を設定し、それぞれの対策の実施者と費用負担者を示したもの。元下間などの請負契約時に、当該工事で必要となる安全衛生対策の実施者と費用負担者が一目で分かるようになっている。
 標準的な対策項目では、例えば、労働者の健康障害の防止措置として、「保護具の着用」や「警報設備」などを明示している。国交省がまとめたひな型を参考に、専門工事業団体でそれぞれの確認表を作成。元請けと下請けで活用していくよう、23年8月9日付で要請文書を通知していた。

提供:建通新聞社