政府は、能登半島地震を激甚災害として指定する見通しだ。8日までの被害状況調査の結果を踏まえ、同日に開いた非常災害対策本部会議で岸田文雄首相が表明した。公共土木施設などの災害復旧事業を行う際、補助率を引き上げる地域を限定しない「本激」とする考えだ。
会議で岸田首相は、公共土木施設や農地などの災害復旧事業の補助率引き上げ、中小企業の災害関係保証の特例といった激甚災害の指定に伴う措置を挙げ、「地域を限定しない『本激』の指定の基準を超過する見込みが立った」と述べた。その上で、関係する政令の閣議決定に向けた手続きを進めるよう指示した。
激甚災害に指定されると、河川や道路といった公共土木施設や、公立学校、公営住宅、ため池などの農業施設の災害復旧に対する国庫補助率が引き上げられる。過去5年間の引き上げ実績の平均を見ると、公共土木施設は70%から83%に、農地は85%から96%にそれぞれ引き上げられた。
提供:建通新聞社