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2024/01/10

集中する復旧工事 随契、指名競争活用を

 国土交通省と総務省は1月9日、能登半島地震の災害復旧を集中的に進めるため、被災した石川県など4県1市に対して、応急復旧事業の緊急度を考慮して随意契約、指名競争入札を活用するよう指示した。全国の都道府県・政令市に対しては別途(4日付)、災害復旧を優先するため、契約済みの工事・業務の一時中止に応じるよう求めた。地震関連の通知ではこの他、前払い金保証の事務処理の弾力的な運用の要請や、建設リサイクル法に基づく分別解体の特例的な取り扱いを周知した。
 災害復旧事業の入札契約方式については、国交省の「災害復旧における適切な入札契約方式の適用ガイドライン」に基づき、工事の緊急度、受注企業の体制を踏まえ、手続き期間の短い随意契約や指名競争入札の適用を推奨。一般競争入札を採用する際も、手続き期間が長くなる入札書・技術資料の同時提出の採用を見送ることなどを認めており、石川県、富山県、福井県、新潟県、新潟市の5団体に、参考にするよう促した。
 工事・業務の一時中止措置では、すでに工事・設計業務を契約している受注者が優先的に当面の災害復旧に対応できるようにする。受注者の求めに応じて工事の一時中止措置を講じる。
 一方、被災地では、調達環境が変化して市場価格を設定できず、資材・作業条件の制約が生じる恐れもある。このため、建設資材などの設計単価に積極的に見積もりを活用し、実勢価格に沿った予定価格を積算するよう求めた。
 災害復旧に係る前払い金保証の事務処理は、北海道、東日本、西日本の3保証会社に対して、迅速化・弾力化を図るよう要請。必要な証憑(しょうひょう)書類が失われている場合には、それに代わる書類の請求や発注者への確認などの手続きを弾力的に行うこととした。
 分別解体の特例的な取り扱いは、地震により被害の生じた建築物が対象となる。建設リサイクル法では、受注者は「正当な理由」がある場合を除き、分別解体をしなければならないとしている。ただし、災害が広域で大規模な場合、最終処分量が増大し処分場の容量が逼迫(ひっぱく)することなどを考慮し、▽災害で建築物が倒壊しそうになり、分別解体の実施が危険▽緊急を要する復旧工事―の場合、「正当な理由」として認める。2016年の熊本地震でも環境省と連名で同様の通知を行っている。
 今後、能登半島地震が、被災者に行政上の特例措置が適用される「特定非常災害」に指定された場合、建設関係では、建設業許可の有効期間の延長などを検討していくことになる。

提供:建通新聞社