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2024/01/09

全国建設業協会地域懇談会・ブロック会議(7) 東北

 東北建設業協会連合会(千葉嘉春会長)のブロック会議が秋田市のANAクラウンプラザホテル秋田で開催され、各県建設業協会が国交省に対し予算確保や働き方改革、施工確保などについて要望、意見を交わした=写真。
 冒頭、あいさつに立った千葉会長は、「補正予算主体の予算措置では働き方改革に逆行しかねない」として、当初予算での別枠確保を強く要望。また、「財務省の財政制度等審議会では、手持ち工事量が高い水準にあり施工余力がないと言われているが、東北地方は当初予算が激減しており、施工余力は十二分にある。予算確保について特段の傾斜配分をお願いしたい」と訴えた。
 来賓あいさつのうち国土交通省の楠田幹人大臣官房審議官は、時間外労働上限規制や担い手確保といった業界の課題に触れ、「他産業に見劣りしない職場をつくる絶好のチャンスと捉えることが重要。必要な環境整備に全力で取り組む」としたほか、「必要予算・事業の確保には補正予算に5か年加速化対策予算をしっかり盛り込むことが重要だ」と強調した。
 議事では秋田県建設業協会の北林一成会長を議長に選出。各県の協会から◇国土強靭化の計画的推進と社会インフラ整備予算の確保 ◇設計労務単価改定と地域間格差の解消等 ◇新担い手3法を踏まえた適切な運用と適正な利潤の確保 ◇働き方改革の推進と生産性向上 ◇頻発化・激甚化する自然災害における施工確保対策の在り方 ◇地域建設業の社会的役割と公共事業の重要性についての戦略的広報―の6項目が要望された。
 国交省側はこれに対し、「安定的な予算確保に向け全力をあげて対応したい」としたほか、設計労務単価については「昨年の5%引き上げが行き渡るよう取り組む。必要な原資が確保できるサイクルを目指したい」と答えた。担い手三法については「最も重要な根幹。地公体にも条件明示や適正な設計変更の要請などを繰り返し行っている」、働き方改革と生産性向上については「週休二日を前提とした工期設定、労務費・現場管理費の予定価格への反映などを地公体に周知していきたい」などと答えた。
 また、自然災害における施工確保については、「(熱中症予防について)思った以上に厳しい夏が続いている。工期延長や熱中症補正など対策の効果を調査し、実態と乖離する場合は見直しも考えたい」、広報については「公共事業予算の確保や働き方改革を推進するには、関係者に加え一般の理解を高めることが大事。様々な広報活動が必要」などと回答した。
 終わりに千葉会長が、予算の確保や施工歩掛の改正、治水対策の強化、適正な工期設定などを盛り込んだ要望書を国交省に手渡した。会議終了後、千葉会長は専門紙の取材に応じ「歩掛の改正や熱中症対策など、国交省の回答に一定の手ごたえを感じた。継続的な対話や要望により、建設業に対する理解や社会の見かたが変わってきている」との見解を示した。
(地方建設専門紙の会・秋田建設工業新聞社)