建設業振興基金は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録技能者の就業履歴を蓄積するカードリーダーのロギング機能について、10月30日からiOS版の提供を始める。ロギング機能は、カードリーダーに一時的に就業履歴を保管できる機能。利用には、新ファームウエアを搭載したカードリーダーが必要となる。
対応するカードリーダーは、CCUS認定の「Dragon BLE」と「BNR01」の2機種。うち「Dragon BLE」のiOS版となる。CCUSの就業履歴を登録するための無料のアプリケーション「建レコ」がインストールされたiPadやiPhoneで利用できる。パソコン利用者向けのWindows版は7月に先行リリース済み。
「BNR01」については、12月にWindows版、2024年3月に@OS版を順次、リリースする。
「Dragon BLE」で2000件、「BNR01」で2730件の就業履歴が蓄積できる。本体価格はいずれも約3万円。アマゾン、ヤフー、楽天の大手インターネット通販サイトで入手できる。
旧ファームウエアのカードリーダーを持っている場合は、24年1月末までなら、無償で新ファームウエアに変更してもらえる。23年6月以前に購入した「Drgon BLE」は全て旧ファームウエアとなっている。希望者は、verup@kensetsu-kikin.or.jp宛てに「バージョンアップ」と記入の上、空メールを送信する必要がある。返信メールに記載された送付先住所にカードリーダーを送付すれば、1週間程度で新ファームウエアが搭載された本体が返送される。送料は利用者負担となる。
ロギング機能がないカードリーダーの場合、現場にカードリーダーの他、建レコがインストールされたパソコンまたはiPad・iPhoneを設置する必要がある。ロギング機能があれば、現場にパソコンなどを設置することなく、就業履歴の蓄積が可能になる。
カードリーダーに蓄積したデータは、会社に戻った際に、建レコがインストールされたパソコンまたはiPad・iPhoneで取り込めばよく、現場での就業履歴を蓄積するための環境整備の手間、費用負担が軽減される。特に一戸建て住宅など小規模現場での利用に高い効果が見込まれるという。
CCUSは、事業者と技能者の登録が都市部や大手企業で進む一方、地方や中小企業の登録、登録技能者の就業履歴の蓄積が進みにくい状況が見えてきた。基金では、小規模現場に携わる事業者の登録や、技能者の就業履歴の蓄積促進につながるサービスを順次打ち出している。
提供:建通新聞社