中小企業庁は、保証料の上乗せなどにより、経営者保証なしでの信用保証を事業者が選択できるよう、制度を見直す。11月上旬にも関連する経済産業省令の改正案をまとめ、2023年度内の制度開始を目指す。合わせて、経営者保証付きの既存の融資から経営者保証なしの信用保証付き融資への借り換えを認める「プロパー借換保証制度」(仮称)を時限的な措置として創設し、取り組みの浸透を促す。
信用保証は、中小企業や小規模事業者の資金繰りを支援する制度で、建設業を含めて幅広い業種で利用されている。事業資金を借り入れる際に、信用保証協会が信用保証を提供することで、金融機関の融資を受けやすくする。
保証協会は7割程度の融資で、経営者自身が会社の連帯保証人になる経営者保証を求めている。国は経営者保証を求めない融資慣行の拡大に取り組んでおり、信用保証においても経営者保証の提供を選択できる制度を整えることにした。
具体的には、▽財産、損益、資金繰りの状況を示す書類を金融機関に提出▽代表者への貸付金がなく、役員報酬などが社会通念上の相当額を超えない▽直近の決算で債務超過でない―など一定の経営規律を要件として求める方向だ。
その上で、保証料率に0・25〜0・45%の上乗せを行うことなどを規定。事業者負担を軽減するため、上乗せ保証料の一部を軽減する時限措置も検討する。
その上で、経営者保証なしの信用保証付き融資への借り換えを後押しする時限措置を実施する。申込人には一定の資格要件を求める。保証限度額は2億8000万円で、保証期間は10年以内。保証人は不要とする。
信用保証制度の見直しではこの他、申し込み手続きの電子化も推進する考えだ。
提供:建通新聞社