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2023/10/26

自治体の技術職員不足 支援方策の検討求める

 総務省の地方制度調査会・専門小委員会は10月23日、コロナ禍以降の経済社会に対応した地方制度の在り方に関する答申の素案を示した。建築・土木などの専門的な市町村職員の確保を主要な課題の一つに挙げ、支援方策の検討を国に求めた。市町村が管理する公共施設・インフラの老朽化対応もテーマに挙げ、市町村相互の連携による集約化が必要とした。
 市町村ではこれまで、技術職員などの専門人材の確保・育成に単独で取り組んできた。しかし、特に人口規模の小さな市町村では適正な人材配置が困難になっている。例えば1997年に約9万5000人だった自治体の土木技士は、22年に約8万3000人にまで減少。特に町村では半数以下にまで減った。技術職員の不足は、工事の発注や適正な監督の支障となる。
 素案ではこうした現状を踏まえ、「今後は都道府県や、規模の大きな都市に期待される役割がより大きくなっていく」としている。
 都道府県から平時・災害時に技術職員を派遣するようなスキームや、デジタル人材確保に関する財政支援の仕組みは既にある。ただ、災害時に支援が途切れるなど課題も指摘されていることから、ニーズに対応した市町村支援の方策について検討する必要があると指摘した。
 公共施設やインフラの老朽化も主要な課題の一つに挙げた。市町村単独での対応だけでは限界があることから、素案では自治体をまたいだ施設の集約化や共同利用、長寿命化を考える必要があるとした。
 施設の廃止を伴う場合は合意形成のハードルが高く、また地域を超えた連携には利害調整も必要になる。そこで、市町村間であらかじめ連携のルールを整備したり、都道府県が調整・連携の事務局機能を担うことを提案。国に対しては、こうした自治体相互の連携を促す仕組みを整備するよう求めた。

提供:建通新聞社