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2023/10/25

人口10万以上の自治体 算定水準改定へ

 ダンピング対策となる低入札調査基準価格または最低制限価格の算定式の水準について、人口10万人以上の全ての市区町村が、中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)の2019年モデル以上の水準に改定する見通しとなった。国土交通省の調査で、22団体の算定式水準が16年モデル以前だったことが判明。6月から個別に働き掛け、全ての団体から23年度中に改定を検討するといった前向きな回答を得た。
 個別の働き掛けに対する22団体の回答は、3団体で「改定済み・本年度中に改定する」、8団体で「来年度中の改定を視野に本年度中に検討する」、11団体で「改定について本年度中に一度検討する」となった=グラフ参照。「改定を検討しない」とした団体はなかった。全市区町村は1721団体あり、うち10万人以上が263団体となっている。内訳は、市241団体、区22団体(東京23区のうち千代田区のみ10万人未満)。
 国交省が22年度に実施した調査(入札契約適正化法に基づく調査)では、算定式が非公表だったり、独自基準などを採用していたりし、算定水準が不明確な団体が少なくなかった。そこで、今年3月に、調査基準価格と最低制限価格の算定水準が不明確な市区町村のうち、人口10万人以上の73団体について算定水準を追加調査した。
 73団体の内訳は、「算定式非公表」とした団体が調査基準価格で18団体、最低制限価格で20団体、「独自基準等採用」とした団体が調査基準価格で33団体、最低制限価格で43団体(重複あり)となっていた。追加調査では、算定式がブラックボックス化されている団体の水準が中央公契連のいつのモデルに相当するのかを探った。
 国交省では、低入札価格調査基準と最低制限価格基準をなるべく新しいモデル相当以上に見直すことがダンピング対策の強化につながることから、低入札調査基準価格や最低制限価格の算定で古い水準を採用している団体に対して、算定水準の適切な見直しを求めている。
 人口10万人未満の市区町村にも同様の調査と働き掛けを実施するかは「今後の検討」としている。

提供:建通新聞社