地元建設業の景況感が厳しさを増している。東日本建設業保証、西日本建設業保証、北海道建設業信用保証の3社がまとめた、2023年7〜9月期の景況調査によると、前期(23年4〜6月期)と比べ「景気が悪い」と回答した建設会社の割合が1・0ポイント増加し、悪い傾向が強まった。受注が減少する中、資材価格や人件費が上昇し、収益を圧迫しているようだ。
受注状況については、「受注が減少した」と回答した建設会社の割合が前期比で1・0ポイント拡大した。官公庁工事・民間工事ともに減少傾向が続いている。地区別に見ると全ての地区で減少傾向となっており、中でも、東北地方と東海地方でマイナス13・5ポイントとマイナスが最も大きくなった。
資材価格は、「上昇している」とした企業が大半を占めた。一方で、資材価格が高止まりし落ち着きつつある現状を踏まえ、「上昇している」と回答した割合が前期比で2・0ポイント減少。3期続けて前期より割合が減少した形だ。
価格が上昇した資材は、「生コン・セメント」「コンクリート2次製品」「砂利・砕石・砂」「アスファルト合材」「鋼矢板・鋼管」「棒鋼」の順に回答が多かった。
建設労働者の確保については、「困難」とする回答の割合が、前期比で0・5ポイント縮小したものの、全体としては困難な傾向が続いている。経営上の問題点としては、有効回答者の7割近くが「人手不足」を挙げ、最多となった。以下、「従業員の高齢化」「受注の減少」が続いた。
「収益」も減少傾向が継続。減少の理由を見ると、「完成工事高の減少」とした回答が全体の78・8%と最多を占めた。以下、「資材価格の上昇」が58・3%、「人件費の上昇」が40・4%で続いた。
景況調査は9月に実施した。保証事業で取引のある建設会社2501社に対して調査票を送付し、2239社から回答を得た(有効回答率89・5%)。調査では、地元建設企業の意識を「良い」「悪い」「変わらず」などから選択してもらい、「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を差し引き求めるBSI(景況判断指数)で数値化、景況感や受注状況を表した。
提供:建通新聞社