国土交通省は10月17日、電動建機の普及を促進し、建設現場の脱炭素化につなげるため「GX建設機械等認定制度」を創設した。同日、認定申請の受け付けを開始した。受付期限は12月12日で、12月中にも初弾の認定を予定している。2050年カーボンニュートラルを目指す政府目標を踏まえ、建設施工分野での二酸化炭素排出量ゼロを目指す。
認定対象は、油圧ショベル(標準バケット山積容量0・085立方b以上1・70立方b未満)と、ホイールローダー(定格出力40`h以上230`h未満)の2機種で、バッテリー式または有線式の電動建機となる。いずれも日本建設機械施工協会規格(JCMAS)により、電力消費量の試験方法が定められている。ただ、認定制度は当面、電力消費量に基準値を設けない暫定規定で運用する。
認定機種は初回のみ一斉に公表する。以降は随時、受付・認定のたびに公表していく。認定した建機には専用のラベルを貼り付け、現場ですぐに識別できるようにする。国交省では建機の認定後、直轄工事で実証を行うとしている。
将来的には、対象機種の拡大を予定。また、暫定運用の見直しに向けて、建機の標準動作時の電力消費量を燃料消費量に換算した基準値を設け、恒久規定とする。恒久規定への移行時期は30年ごろを見据えている。
認定対象機種の拡大に際してはJCMASによる電力消費量の試験方法の整備が必要になる。現在、日本建設機械施工協会は新たにラフテレーンクレーンの試験方法を検討。新たな試験方法が定められた場合、認定対象に加えることを検討する。
建設現場の脱炭素化に向けて国交省はこれまで、軽油を燃料とする建機を対象に、低燃費型やハイブリッド型を購入する建設会社などを支援し、省エネ建機の開発促進に取り組んできた。カーボンニュートラルの達成を建設施工分野でも目指すため、建機の動力源を含めて抜本的に見直し、脱炭素化を推進することにした。
国内市場に出回っている電動建機は、小型のバックホウなどに限られており、台数も少ない。建設現場への導入促進には、さらなる製品の開発・普及が必要となる。水素エンジンや、バイオマス・合成燃料といった新たな動力源による建機の認定も合わせて検討していく。
提供:建通新聞社