防衛省は、今後本格化する自衛隊施設の強靱(きょうじん)化事業に地元の建設業者の参加を促すため、地域ごとの説明会を開く。都道府県単位での開催を念頭に、各建設業協会などとも連携していく。既に鳥取県、沖縄県で開催しており、年内をめどに本格化させる。
防衛施設の強靱化事業は、全国283カ所の基地・駐屯地を対象に建物の集約建て替えや再編整備、老朽化対応、災害対策などを実施するもの。5年間で約4兆円(契約ベース)の事業規模を見込んでいる。
防衛省は、円滑な発注に向けて案件ごとの工事規模の拡大や、ECI方式の活用などを予定。有資格者名簿でA等級に区分されるゼネコンや建設コンサルタントを対象に、これまで意見交換会を開いてきた。
その一方で、施工力の確保や、安全保障を地域経済の振興につなげる観点から、地元の建設企業の積極活用も表明。このため、JVの構成員数の大幅な緩和や、地域建設業の下請け活用に対する総合評価での加点など、地域建設業が事業に参加しやすい仕組みづくりも検討している。
こうした防衛省の方針を地域建設業に伝え、工事への参加を促すため、説明会を開く。同省整備計画局の北岡亮施設計画課長は「(防衛省の工事が)未経験の企業のハードルを下げ、積極的な参加につなげたい」と話している。
提供:建通新聞社