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2023/09/15

ICT施工 直轄・自治体ともに増加も…

 国土交通省直轄土木工事でのICT施工の実施率が2022年度は87%となり、前年度より3ポイント増加した。都道府県・政令市の発注工事での実施件数も増加しており、公共工事でのICT活用が全体的に進んだ。一方で、格付け等級が下位の企業ほど活用が進んでいない状況が続いている。9月14日に国交省がICT導入協議会を開き、報告した。
 ICT施工の実施率は、発注者指定または受注者希望で公告した工事件数のうち、実際にICT施工を実施した工事の割合を示す。国交省の集計によると、舗装、浚渫などを含む直轄土木工事では、2016年度に36%(実施件数584件)、17年度に42%(912件)、18年度に57%(1104件)、19年度に79%(1890件)、20年度に81%(2396件)、21年度に84%(2264件)、22年度に87%(2064件)と順調に伸びてきた。
 都道府県・政令市の発注工事では、ICT施工の実施件数が17年度に291件、18年度に523件、19年度に1136件、20年度に1624件、21年度に2454件、22年度に2802件と増加している。
 直轄工事の実施率や自治体発注工事の実施件数が増加してきた要因について、国交省の担当者は、ICT施工の経験企業を増やし普及拡大を図るための、県などへのICT専門家の派遣や、未経験企業にアドバイスする支援制度などの取り組み効果が出てきたと見ている。
 一方で、直轄土木工事を受注した企業のうち、ICT施工の経験のある企業の割合については、全体的に増えつつあるものの、格付け等級が下位になるほど経験のない企業が多く、増えにくい状況にある。
 16〜22年度の直轄工事の受注実績に対するICT施工の経験のある企業の割合を見ると、全国企業となるAランクで96・8%、Bランクで92・2%、地域企業が大半を占めるCランクで63・3%、Dランクで14・3%となった=グラフ参照。さらなる生産性向上を図るため、引き続き、地域の中小企業へのICT施工の拡大が必要とした。
 国交省では、ICTを用いた効率的な建設を目指す「i−Construction」を16年度から推進。具体的な効果としては、ICT施工の対象となる起工測量から電子納品までの延べ作業時間について、土工、舗装、河川浚渫で約3割、港湾浚渫で約1割の縮減効果が見られたという。作業人員の削減効果の報告もあった。

提供:建通新聞社