トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2023/09/14

中小企業の復興対策を 首都直下地震で提言

 日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)は、首都直下地震対策として、中小企業の復旧・復興と災害廃棄物の迅速な処理に関する提言をまとめた。中小企業の事業所やライフラインの耐震化の促進などを盛り込んだ。
 提言では、震災後の地域経済に関して、労働人口の8割を雇用する中小企業の復興の重要性と、復興に向けた事前準備の必要を指摘。
 対策として▽中小企業の事業所の耐震化▽ライフラインの耐震化と被災者住宅の域内での確保▽燃料・原料と電力の安定供給のための湾岸機能の強化▽公共交通機関の迅速な復旧▽物流機能の保持、サプライチェーンの継続―を掲げた。
 事業所の耐震化では、過去に東京都が製造業を対象に行っていた公的支援を再開するとともに、新たな制度の新設を提言。また、住・工混在都市再開発事業の誘導による災害に強いまちづくりを推進すべきとした。
 被災者住宅の域内での確保は、労働人口の流出を防ぐための措置。大規模な民有地の仮設住宅用地としての利用に向けた連携協定締結などを提言した。
 また、首都直下地震では約1億dの災害廃棄物の発生が予想されている。大量の災害廃棄物は首都機能の早期復旧・復興を阻害するとし、災害廃棄物処理の高度化が不可欠だと指摘。
 鉄道や舟運による広域処理の円滑な実施や、自動運転技術を活用した収集・運搬の高度化をはじめ、災害廃棄物の減量に向けた、旧耐震住宅の削減の推進などを提言した。
 提言書をこれまでに国土交通省や内閣府に提出した。

提供:建通新聞社