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2023/09/14

ストックヤード登録制度 実効性確保へ調査

 国土交通省は、建設発生土の適正処理に向けて創設したストックヤード運営事業者の登録制度について、実効性を確保するための調査・検討に入る。2024年6月からの全面施行に備える。24年度の概算要求で関連する費用を求めている。
 この制度は、残土処理の流れを把握するため、建設発生土を一時的に保管するストックヤードの事業者を登録するもの。登録事業者に対し、土砂の搬出先の受領書の確認や国への報告を義務付ける。21年に静岡県熱海市で盛土が崩落し、28人が死亡したことを受けた盛土規制の強化に合わせ、制度を整備した。
 この5月からストックヤード事業者の登録受付を開始している。9月1日現在で、全国118事業者(180カ所)のストックヤードの登録が完了。登録事業者数を地方整備局別(北海道、沖縄含む)に見ると、近畿管内が37事業者(50カ所)と最多を占めた。以下、東北の16事業者(20カ所)、関東の14事業者(36カ所)、中国の14事業者(21カ所)などが続いた=表参照。
 登録事業者は、ストックヤードから最終処分場やさらなる仮置き場に土砂を搬出する場合、搬出先が盛土規制法に基づく許可を取得していることを事前に確認しなくてはならない。搬出先に対して、土砂量などを明記した受領書の発行も求める。土砂の搬出状況は年1回の国への報告が義務付けられる。
 建設工事の元請けが、未登録のストックヤードを利用する場合、元請けは最終搬出先までの土砂受領書などを自らチェックし、残土が適正に処理されたかどうかの確認義務を負うことになる。ただ、ストックヤードに運び込まれた建設残土は、他工事の残土とまとめて最終処分場などに搬出するケースが大半。元請けが最終搬出先までの残土の流れを工事単位で把握することは現実的に困難とされる。
 国交省は、5月からの1年間を登録の猶予期間として設定。未登録のストックヤードを利用する場合の、元請けに対する最終搬出先までの確認義務は24年6月から施行することとしている。
 そこで、猶予期間終了後の円滑な制度運用に向けて、登録事業者などに対してアンケート調査を実施する。課題が指摘されれば必要な改善策を探る。建設発生土の適正処理とリサイクルの促進につなげる。

提供:建通新聞社