厚生労働省は、2024年度概算要求で、建設労働者の雇用改善や能力開発を支援する「建設事業主等に対する助成金」に72億円を要求している。建設事業主団体による建設キャリアアップシステム(CCUS)普及促進の取り組みを支援する他、若手や女性にとって魅力ある職場づくりとするための現場見学、インターンシップを後押しする。キャリアに応じた技能実習や、作業員宿舎の設置も助成し、建設業の深刻な人手不足の解消につなげる。
第14次労働災害防止計画に基づく事業には57億円を要求。労災防止対策の重点業種となっている建設業では、墜落・転落災害対策のさらなる充実や、一人親方の安全衛生対策を推進する。
さらに、24年度から建設業に時間外労働の罰則付き上限規制が適用されることを踏まえ、引き続き労働環境の改善に向けた企業・国民への周知活動を行う。
化学物質、石綿へのばく露防止対策に必要な経費には16億円を求めている。事業主の自立的な対応を求める新たな化学物質規制を円滑に執行するため、建設業を対象にばく露防止手法を検討。化学物質の危険性を伝えるのに必要なラベル・安全データシートの活用を促進する。建築物の解体に従事する労働者の石綿ばく露を防ぐため、事前調査の啓発動画を作成することも盛った。
さらに、高年齢労働者が増えていることを受けて、安全衛生対策推進費を6・9億円に拡充する。事業主による労働者の転倒防止対策や身体機能チェックについて、補助率を4分の3に引上げる。
提供:建通新聞社