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中央ニュース

2023/08/30

床掘の出来形計測 基準・要領見直し 24年度試行へ

 国土交通省は、ICT施工に対応した新たな出来形管理基準を策定し、床掘工事などでの出来形計測や監督・検査を省力化する。本年度にモデル工事を実施した上で、出来形管理基準と要領を見直し、早ければ2024年度から試行を始める。
 床掘工事では、ICT施工を実施した場合、出来形計測で必要となる位置座標データ(XYZ)を、施工時に施工履歴として取得できるようになっている。一方で、現行の出来形管理基準や要領は、2次元に対応した内容となっており、ICT施工で取得した位置座標データを出来形管理に活用するためには、新たな管理基準、要領が必要となる。
 そこで国交省は本年度、ICT施工で取得した施工履歴データによる出来形計測を行うモデル工事を実施し、その結果を、従来の音響測深データによる出来形計測の結果と比較し、精度に問題がないかを確認する。その上で、施工履歴データを活用するための出来形管理基準、要領を策定し、24年度から試行することとした。モデル工事は直轄の床掘現場5件程度で実施する。
 試行後は、新たな出来形管理基準、要領の検証・改善を行いながら、25年度以降の本格運用を目指す。
 従来の出来形計測では、受注者が測量船を用意し音響測深し、床掘などの出来形を計測。計測した音響測深データを現場事務所に持ち帰った後、3次元データを作成している。
 ICT施工で取得した施工履歴データを3次元データ作成に活用できれば、受注者側では、測量船が不要になるなど、出来形計測の作業をより省力化できる。発注者側では、現場立ち会いなど監督・検査を効率化できるといったメリットも生まれる。
 港湾分野では、17年度から浚渫工を対象にICT活用工事を実施。以降、基礎工、ブロック据え付け工、本体工などにも対象範囲を拡大している。

提供:建通新聞社