厚生労働省は、外国人労働者にも分かりやすく作業上の危険を伝えるため、ピクトグラムなどの安全表示の開発に取り組む。言語・文化の違いがあっても理解しやすく、労働災害の防止につながる内容とする考えだ。このため、2024年度当初予算の概算要求に関連する費用を盛り込む。
技能実習や特定技能などの在留資格による外国人労働者の増加に伴い、外国人の労働災害も増加傾向にある。21年度には死傷者数が4578人(新型コロナウイルス感染症へのり患を除く)となり、16年度からの5年間で2倍以上に増えた。この現状を受け、23年度から始まった第14次労働災害防止計画で厚労省は、外国人労働者にも分かりやすいピクトグラムなどの安全表示の開発に取り組むこととしていた。
安全表示の検討に先立ち、まずは外国人労働者の労働災害の実態を調べる。言語の違いよるコミュニケーションの不足だけでなく、安全衛生意識や労働慣行などの文化の違いなども視野に入れ、労災の発生に影響する要因を探る。
その上で、使用させる機械や原材料などの危険性、取り扱い方法を確実に理解してもらえる安全表示を考える。一連の取り組みを通じて、外国人労働者1000人当たりの年間死傷率を、27年度までに全体平均以下に引き下げることを目標に掲げている。
提供:建通新聞社