国土交通省は、国や自治体などによる道路管理の2022年度の状況を「道路メンテナンス年報」にまとめた。2014〜18年度に行った点検で措置が必要とされた自治体管理の橋梁のうち、実際に修繕などを完了した割合が56%にとどまり、国交省(70%)や高速道路会社(75%)と比べて低水準にとどまっていることが分かった。橋梁の撤去を検討している自治体は全体の8割に達した。
道路メンテナンス年報は、法に基づく5年に1回の道路点検の結果をまとめたもの。14〜18年度に1巡目の点検を終了し、22年度は「2巡目の4年目」に当たる。
1巡目の点検で「早期」または「緊急」の措置を講ずべきとされた自治体管理の橋梁は6万1466橋で、このうち措置を完了したのは56%に当たる3万4357橋。未着手の橋梁は25%に当たる1万5423橋となっている。点検から5年以内の措置を原則としているにもかかわらず、自治体では約2割の橋梁が未着手の状態にある形だ。特に小規模な市町村で遅れが見られる。
老朽化が進んだ施設については集約や撤去、機能縮小も選択肢に入る。実際に検討している自治体は19年度末時点では全体の14%だったが徐々に拡大し、22年度末には前年度比45ポイントの大幅増となる80%に達した。
国交省は自治体向けの参考資料として、道路橋の集約・撤去の事例集を公開している。
19年度から始まる2巡目点検の状況もまとめた。全道路管理者による橋梁点検は83%、トンネルは73%、道路付属物は78%で、国交省はいずれも「着実に進捗している」と評価した。
提供:建通新聞社