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2023/08/21

建材価格指数が過去最高値に 経済調査会調べ

 経済調査会によると、同会が7月調査に基づいて算出した全国の建設資材価格指数(2015年度平均を100とした指数)は、建築・土木総合で150・7となり、これまで最高だった5月調査の150・3を0・4ポイント上回り、過去最高値を更新した。指数を建築・土木別に見ると、異形棒鋼などの下落で建築は2カ月連続で低下。一方、セメント価格などの騰勢によって土木指数は前月より2・6ポイントと大きく上昇し、総合指数を押し上げた。
 総合指数は過去最高になったが、前年同月と比べた上昇幅は1・9ポイントにとどまった。上昇率は5カ月連続で鈍化しており、前年同月比が2・0ポイントを下回るのは2年半ぶり。同会では「資材価格指数は上昇から横ばいへと基調の変化を強めている」とみる。
 建築指数は153・8で、異形棒鋼や一般建築用木材の全国的な下落の影響で、前月比マイナス0・5ポイントと2カ月連続で低下した。
 一方、土木は前月より2・6ポイント高い145・7となり、過去最高値を更新した。同会では、セメントの騰勢を受けた生コンやコンクリート2次製品への価格転嫁が各地で続き、「土木指数を押し上げる要因になっている」としている。
 総合指数を東京と大阪の都市別で見ると、東京地区は前年同月比1・5ポイント増の149・8。中小工事物件が低調で、2022年度後半から横ばい基調が続く。
 一方、大阪地区は前年同月比8・4ポイント増の174・4。万博関連や再開発によって建材需要が堅調に推移すると見込まれることに加え、生コンの騰勢を主因に、全国の都道府県庁所在地での最高値になった。
 最新の8月調査の主要資材の価格動向を東京地区で見ると、木材や合板が低調な需要を背景に続落し、鋼材類も軟調に転じている。一方、原油相場の影響で石油製品は続伸。生コンも東京協組の値上げ交渉の進展で、先行き強含みに転じている。同会では今後について「主要資材が騰落相半ばする状況下、総合指数は横ばい基調を維持しつつ、じり高で推移する公算が大きい」とする見方だ。

提供:建通新聞社