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2023/08/17

マンション大綱 「二つの高齢化」に対応

 国土交通省は、マンションと居住者の「二つの高齢化」に対応していくため、今後のマンション政策に係る大綱をまとめた。大綱を踏まえ、マンション管理計画認定制度の認定基準の見直しなどについて、今秋をめどにワーキンググループを設置し、検討を開始する。適切なマンションの管理・再生の在り方について、昨年度に「今後のマンション政策のあり方に関する検討会」を設置し、議論を重ねてきた。
 検討会では、マンションを巡る現状を把握し、課題を洗い出した上で、「マンションの長寿命化の推進」「修繕積立金の安定的な確保」「管理不全マンションへの対応」「管理組合役員の担い手不足への対応」「円滑な建替え事業等に向けた環境整備」「多様なニーズに対応した事業手法の在り方」など、管理・修繕、再生に係る幅広いテーマについて検討。現時点で考えられる施策の方向性をマンション政策全般に係る大綱としてとりまとめた。
 また、施策の方向性の中で、▽マンション管理計画認定制度の認定基準の見直しに関する検討(修繕積立金の安定的な確保など)▽マンション標準管理規約の見直しに関する検討(管理不全マンションへの対応など)▽管理業者が管理者となる場合も含めた外部専門家の活用の在り方に関する検討(管理組合役員の担い手不足への対応など)―の必要性を提示。具体化へ今秋からワーキンググループで検討を始める。
 マンション管理を巡っては、建物と居住者の両方の高齢化が進んでいるとされる。国内には築40年以上の高経年マンションが2021年末で116万戸あり、20年後には425万戸を超えることが見込まれる=グラフ参照。
 一方、1970年以前に建築されたマンションでは、18年時点で入居者の53%が60歳以上だけの世帯となっており、管理組合の担い手不足も懸念される。一部の廃墟化したマンションでは、自治体による除却工事の代執行が行われるなど、行政負担も生じており、二つの高齢化への対応が急務となっている。

提供:建通新聞社