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2023/08/22

建設トップランナーフォーラム「#戦略的広報のすゝめ」C

 常陽建設(茨城県取手市、飯田竹世社長)は、筑波大学との共同研究で取り組んだ建設業のブランディングについて発表した。飯田社長は昨年社業を引き継いだ時「全社員が人生の主役として生きる働き方、気持ちよく働ける環境を作りたい。そのためには、会社の内側から整えることと同時に外側からの新しい視点が必要」との思いを抱いたという。その外側からの視点として、地元茨城県の筑波大学でブランディングを専門とする原忠信研究室と共同でブランディングデザイン演習に取り組んだ。
 同社が河川を中心とした土木工事業を営んでいることから学生たちは、川を感じるカヌー体験、河川工事の現場見学会、企業ブランドを定義するワークショップを行った。それらを通じ、同社や建設業への理解を深め、ブランディング作品の制作に取り組んだ。
 学生たちは、カヌー体験、現場見学会から河川工事の大切さ、建設業や働いている人のカッコよさを感じ取ってくれた。ワークショップでは同社のビジョンを「川は人にやすらぎや恵みをもたらす存在である。川と人は共生できる」と設定。ビジョン実現への行動として「川のプロとして、丁寧な河川工事を成し遂げることで、人々の愛を地図に残す」「体験会のパイオニアとして、また、最新技術の活用によって、土木業の未来を築く」「川の仕事を通じて人の命と生活を守り、地域コミュニティを持続させる」をミッションと定義した。
 定義を踏まえて、学生たちはビジョンの達成と建設業全体のブランド価値を高められるよう、ブランディングデザインを提案。提案作品を飯田社長が、提案者の思いを込めて説明した。現場で働く人のポスター、現場見学会での資料を可愛くデザイン化(今期活用予定)、3パターンのユニフォームデザイン、名刺・工事看板のデザイン、ユーチューブでラップ(現在作成中)などの提案があった。最後のプレゼンは、提案者の高桑あかねさん(4年生)が行った。
 現場見学などを通じ、建設業が抱えている担い手不足という課題の要因が「一般の知識不足や理解不足にあるのでは」との考えから建設業のキャリアイメージ、専門性の高さを理解できる教育ツールとして人生ゲームを作成し、その活用方法なども含めてプレゼンした。
 最後に飯田社長は「皆さんに伝えたい2つの言葉がある。見学会のバスで学生から聞いた『建設業は必要不可欠な仕事なのになぜ担い手がいないのか。その原因は理解不足か、広報不足なのか』という言葉。2つ目はミッションにある『愛を地図に残す』という言葉。この言葉は建設業全体のミッションだと感じている。この言葉を大切にして、誇り高く、主役意識でこの業界を盛り上げていきませんか」と呼びかけ、発表を締めくくった。(地方建設専門紙の会・日本工業経済新聞社)