国土交通省は8月8日、2023年度の建設投資見通し(名目値)を発表した。前年度比2・2%増の70兆3200億円(出来高ベース)で、資材価格の高騰も影響し、1998年度以来25年ぶりに70兆円を上回る見込みとなった。政府投資が4・5%増と全体を押し上げる。一方、民間投資は、非住宅建設投資がマイナスし、民間全体では1・0%の増加にとどまる。
官民の投資見通しの内訳は、政府投資が前年度比4・5%増の25兆3400億円、民間投資が1・0%増の44兆9800億円。構成比は政府が36%、民間が64%で、前年度と比べそれぞれ1ポイント増減する。
政府投資では、メインとなる公共土木事業が2年連続で増加し、4・5%増の16兆5200億円に増える。その他の土木工事も4・7%増の2兆4400億円と3年ぶりに増加する。また、政府の非住宅建築も4・5%増の3兆9800億円と3年ぶりに増加。建築補修(改装・改修)も2年ぶりに増え、4・2%増の1兆9800円となる。住宅建築は5・0%増の4200億円で、2年連続の増加。
一方、民間建設投資では、住宅建築が2・9%増の17兆4100億円となり、3年連続で増加する。しかし、非住宅建築が3年ぶりにマイナスし、8・1%減の10兆2800億円に落ち込む。また、建築補修(改装・改修)は4・7%増の9兆3600億円、民間土木は5・9%増の7兆9300億円に増える。
民間の非住宅建築の落ち込みでは、昨年9月以降、着工床面積の減少が顕在化している。要因として国交省では、物価高や、ロシアのウクライナ侵攻など国際情勢が影響しているのではないかとみている。
提供:建通新聞社