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中央ニュース

2023/06/29

建機の自動・遠隔施工 安全ルール標準化へ

 国土交通省は、建機の自動・遠隔施工のための「安全ルール」と「施工機械の機能要件」を2023年度末に策定する。今後、現場検証を実施した上で、民間現場も含めた、建機を現場で安全に稼働させるための共通のルールとしてまとめる。安全ルールなどを標準化することで、自律型バックホウなど自動・遠隔施工技術のさらなる普及につなげる。6月27日に有識者や関係団体、研究機関による協議会で、現場検証の実施方針や検討スケジュールを提示した。
 建機の自動・遠隔施工技術は、大手ゼネコンや国土技術政策総合研究所などの官民が連携して、実用化への研究・開発、現場での試行導入が進んでいる。一方で、自動・遠隔施工技術を現場で安全に稼働させるための共通のルールがない。自動・遠隔施工に取り組むゼネコンは、民間工事も含め、現場ごとに独自に安全対策を設定し、労働基準監督署へ届け出をし了承を得た上で施工に着手するという手続きを踏んでいる。
 そこで、安全ルールを標準化し、速やかに自動・遠隔施工に着手できるようにする。併せて、建機に求める機能要件も明確にしておくことで、技術の開発目標が明らかになるため、自動・遠隔施工の導入促進にもつながるとしている。
 安全ルールは、建機の運用で順守すべき事項として、▽無人エリアの設定・運用▽現場の安全対策での役割分担―などを明確に示す。一方、施工機械の機能要件では、建機が最低限備えておくべき機能として、▽遠隔で始動・停止できる▽必要な精度で建機を配置できる▽掘削、積み込みの作業効率▽無人エリアから逸脱しない―といった条件を固める。
 27日の協議会=写真=では、安全ルールを検討するための現場検証の実施方針やスケジュールを承認。現場検証は7〜9月に参加企業を公募し、10月から実施する。現場検証には、自動施工機械・要素技術サブワーキング(SWG)のメンバーの一部がすでに参加を表明している。公募ではSWG以外の参加者を募る。
 参加表明しているSWGメンバーは、単独応募がARAV、DeepX、エクサウィザーズ、コマツの4社、共同応募(代表者のみ記載)が大林組、大成建設、アクティオ、コベルコ建機、佐藤工務店、運輸デジタルビジネス協議会の6グループとなっている。

提供:建通新聞社