勤労者退職金共済機構建設業退職金共済事業本部(建退共)によると、電子申請方式の利用申し込みを済ませた共済契約者は4月末現在1万7024所で、全契約者の9・74%となった。電子申請の利用促進に向けて建退共では今後、支部単位でモデル地区を設置する他、建設業許可番号情報との自動連係によるサービス拡充などに取り組んでいく。6月23日に開いた運営委員会・評議員会で現況と今後の方針を説明した。
利用申し込み者数を都道府県別に見ると、最多は北海道の1263所。次いで東京都が1093所、大阪府が881所、千葉県が700所、神奈川県が684所となっている。
4月末時点での電子申請の申し込み者は全契約者の9・74%で、専用サイトへのログイン率は5・30%。4月の電子申請による掛金納付率は3・5%だった。
建退共では、2023〜27年度の同機構の第5期中期計画で、専用サイトの利用者登録(ログイン)率を50%以上、電子申請による掛金納付率を30%以上にアップする目標を掲げている。
今後、電子申請の利用促進に向けて▽建設キャリアアップシステム(CCUS)とのさらなる連携強化▽オンライン申請の拡充▽モデル地区の設置▽ニーズに応じた説明会の開催▽建設業許可番号情報などとの自動連係による事務手続きの簡素化―に取り組む。
モデル地区は秋ごろまでに3地区程度を選定。相談員を配置し、対面による相談対応や電子申請操作説明会を開催する方針だ。取り組みの詳細は支部や関係自治体と協議して決める。
建設業許可番号との自動連係は、共済契約者の住所変更などの手続きにワンストップサービスを導入するもの。23年度中に、全共済契約者に許可番号の利用に関する調査を実施。その際、電子申請サイトのログインID・パスワードを送付し、調査結果の同サイトでの回答を依頼することで、サイトの利用率の向上も目指す。建設業許可番号との自動連係の実装は、24年度以降を予定している。
オンライン申請の拡充では、25年10月に予定している建退共システムの更改に合わせ、申請件数の多い手帳の更新手続きなどをオンラインでできるようにする。
提供:建通新聞社