三重県志摩市で6月16日から開かれていたG7交通大臣会合が18日に閉幕し、「誰もがアクセス可能で持続可能かつ強靱(きょうじん)な交通システムとサプライチェーンの実現」を目指すために各国が協働することなどを盛り込んだG7交通大臣宣言を採択した。必要な取り組みとして、特にイノベーションのさらなる活用を実現に不可欠な要素として挙げ、官民のパートナーシップを強化して「デジタル技術を含む諸技術を実装する」としている。
同宣言では、高度に脱炭素化された道路部門を目指すために「原材料の採取〜廃棄・リサイクルなどライフサイクル全体でのGHG(温室効果ガス)排出量の評価が重要」との認識で各国が一致。海上交通の分野では、ゼロエミッション船を航行させる「グリーン海運回廊」について「少なくとも14の設立を支援する」とし、港湾の脱炭素化などを進める認識を示した。
また、鉄道やモビリティ・シェア、徒歩、自転車を含めて「よりエネルギー効率の高い交通手段への移行が交通全体のGHG排出量など資する」として、新たな技術の積極的な導入と、全体最適を目指す方向性を示唆した。
【ウクライナの交通インフラの回復を支援】
今回のG7交通大臣会合には、ウクライナのオレクサンドル・クブラコフ復興担当副首相兼地方自治体・国土・インフラ発展大臣も出席。同国の交通部門の復興を議論する特別セッションが開かれた。これを踏まえ、共同宣言では「ロシアによる不当で、いわれのない侵略を、可能な限り最も強い言葉で非難する」との文言を盛り込んだ上で、同国内の持続可能な交通インフラの回復支援や、強靱なサプライチェーンを構築するために、国際的な連結性を強める方針を再確認している。
提供:建通新聞社