法務省の審議会の区分所有建物に関する部会は、マンションの建て替えに必要な多数決割合を現行よりも引き下げることを盛り込んだ中間試案をまとめた。老朽マンションが増加する中で、建物の再生を円滑に判断できるようにする。区分所有者が不明な場合に対応し、所有者ではなく出席者の多数決で改修・修繕を決議できるようにすることも盛った。
マンションの建て替えについては、決議の多数決要件を現行の「区分所有者の5分の4」から、「4分の3」または「3分の2」以上に見直す案を提示した。
築40年以上のマンションは2021年末時点で約116万戸に上る。老朽化したマンションのさらなる増加に備え、安全な居住環境を整えられるようにする。
さらに、所在が不明だったり、連絡がつかない区分所有者がいる場合、修繕や大規模改修の決議で必要な多数決の母数から、これらの区分所有者を除外できるようにする。現行では「所有者」の過半数(修繕)や4分の3(大規模改修)の賛成を必要としているが、「所有者」を「集会への出席者」に改め、賛成の割合を算定する。
今後、案への意見を広く募った上で、審議会でさらに議論を重ねる。
提供:建通新聞社