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2023/06/12

BIM/CIM活用 都道府県は1割強

 国土交通省が、都道府県・政令市を対象にBIM/CIMの活用状況について調べたところ、「活用工事を実施している」と回答した団体は全体の1割強にとどまった。実施への課題として、人材などの体制に不足があることや、費用対効果への懸念があることも分かった。
 都道府県47団体・政令市20団体の計67団体に対して行った、生産性向上に関するアンケートで分かった。BIM/CIM活用工事を「実施している」と回答した団体は9団体で全体の13・4%となった。残る58団体では、40団体が「検討中」、18団体が「未検討」とした=グラフ@。
 BIM/CIM活用工事の導入に際しての課題には、▽発注者側の体制不足(14団体)▽受注者側の体制不足(9団体)▽高スペックPCなどの機材不足(11団体)▽活用するような大規模工事が少ないまたはない(4団体)▽予算の確保、費用対効果への懸念(6団体)▽データの管理や利活用方法(4団体)▽関係者間の使用ソフトの互換性(4団体)―などを挙げた。
 国交省の直轄土木事業では本年度からBIM/CIMの活用を原則化している。ブロック監理課長等会議などを通じて直轄工事でのBIM/CIM活用の流れなどを説明しており、都道府県・政令市が導入する際の参考にしてもらう考えだ。BIM/CIMは、3次元データなどデジタルモデルを使用して建設プロセスを可視化し、設計、施工、維持管理の各段階で情報を一元管理することができる。公共工事の生産性向上に大きな効果をもたらすと期待されている。
 生産性向上に関するアンケートでは、動画撮影用カメラとWEB会議システムを使って施工状況などを現場から離れた場所から確認する遠隔臨場の取り組み状況も調査。都道府県・政令市のほぼ全ての団体(66団体)が遠隔臨場を実施していた=グラフA。このうち63団体で遠隔臨場の実施要領が制定済みだった。撮影機器などの賃料や損料、通信費といった費用負担は、全体の約6割(55団体)で発注者が全額または一部の費用を負担していた。この他、ICT活用工事は全団体が実施していた。

提供:建通新聞社