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中央ニュース

2023/06/09

骨太方針の原案 防災減災へ予算確保を

 政府は6月7日に開いた経済財政諮問会議に、今後の経済財政運営や2023年度の予算編成の方向性を明らかにする「骨太の方針」の原案を示した。防災・減災、国土強靱(きょうじん)化の取り組みについては、激甚化・頻発化する防災・自然災害やインフラ老朽化といった国家の危機から、国民の暮らしを守り、インフラの機能を維持するため、必要で十分な予算を確保することとした。
 防災・減災、国土強靱化に向けては、現下の資材価格の高騰などを踏まえ、必要・十分な予算を確保し、「国土強靱化基本計画」に基づき、ハード・ソフト一体となった取り組みを強力に推進する。5カ年加速化対策も継続し、災害に屈しない国土づくりを進める。併せて、今夏をめどに策定する新たな基本計画については、デジタル田園都市国家構想や新たな国土形成計画と一体で取り組みを強化する。
 将来の気候変動の影響を踏まえた流域治水、インフラ老朽化対策の加速化、災害に強い交通ネットワークの構築などにも力を入れる。
 社会資本整備に際しては、中小企業へのICT施工の普及拡大、ドローンなどによる管理の高度化、国土交通データプラットフォームでのインフラデータのオープン化、行政手続きのオンライン化の徹底などにより、生産性を高めるインフラDXを加速する。持続可能な建設業の実現へ、建設キャリアアップシステム(CCUS)も活用した処遇改善、技能者への賃金支払いの適正化を徹底し、担い手の確保・育成につなげる。
 地域・中小企業の活性化では、中心市街地を含む地方都市の再生や競争力の強化、通学路の安全対策、道の駅の拠点機能化とともに、戦略的なインフラメンテナンスの取り組みを速める。地域での企業立地を促すため、工業用水などの産業インフラ整備の促進にも取り組む。
 三大都市圏を結ぶリニア中央新幹線については、品川・名古屋間の早期整備を促進。全線開業の前倒しを図るため、本年から名古屋・大阪間の環境影響評価に着手できるよう、沿線自治体と連携して必要な指導・支援を行う。
 外国人を対象とした技能実習制度は、現行制度を実態に即して発展的に解消し、人材の確保・育成を目的とした新たな制度を創設することとした。
 政府は今後、与党や関係省庁と議論し、6月中旬の骨太方針の閣議決定を目指す。

提供:建通新聞社