トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2023/06/08

都道府県の不調不落対策 要件緩和など多く

 国土交通省が全国の都道府県・政令市全67団体での不調・不落対策の導入状況を調べたところ、地域要件や等級要件の緩和、発注ロットの拡大に取り組んでいる団体が多いことが分かった。等級要件の緩和は51団体が行っていた。一方で、工事費の補正やCM方式など追加的に予算が必要になる対策の導入は低調だった。
 国交省の調査によると、全国の都道府県47団体と政令市20団体の計67団体では、不調・不落対策のうち、入札要件に関しては、地域要件や等級要件の緩和に取り組んでいる団体が多かった。うち等級要件の緩和については、51団体が「導入している」と回答、15団体が未導入だった。地域要件の緩和は41団体が取り組んでおり、25団体で未導入となった。
 入札要件以外の取り組みでは、受注者のメリットを拡大することで、不調不落を防ぐ「発注ロットの拡大」を43団体が導入していた。
 公共工事の入札では、業者の経験や技術力、資金力などを評価するために等級要件が設けられているが、要件が厳しすぎると新規参入や中小企業が参加しにくくなり、不調・不落にもつながりかねない。このため要件を緩和しより多くの業者が参入できるようにする取り組みを行っている団体もある。
 一方で、追加的な予算が必要となる対策の導入は低調だった。うち予定価格と実勢価格のかい離を防止するための工事費の補正では、復興事業を対象にした間接工事費、直接工事費の補正でそれぞれ50超の団体が未導入と回答した。CM方式は59団体が未導入だった。
 都道府県・政令市ではこの他、主任技術者・現場代理人の兼務制限の緩和(11団体)や、発注時期の平準化・見直しなど(6団体)、一般競争での1社応札の有効化(3団体)といった不調不落対策が実施されていた。

提供:建通新聞社