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中央ニュース

2023/06/07

舗装の新技術 導入促進へ基準見直し

 国土交通省は、直轄工事などで舗装の新技術・新材料の導入を進めるため、性能の確認方法を定めた技術基準を見直す。性能確認のハードルが高いことが新技術・新材料の導入促進の妨げとなっている現状がある。ハードルを下げ、現場導入を後押しする。道路技術小委員会で性能指標の在り方などを検討し、2023年度中に技術基準(省令)の改定方針を示す。
 現行基準について国交省は、「新技術・新材料の性能確認のハードルが高い」といった点を課題に挙げる。現状、民間企業が開発した新技術・新材料の性能を認めてもらうためには、実物大の舗装を行うなど、膨大な試験をクリアする必要がある。例えば、1日当たりの計画交通量が大型車で3000台以上の道路舗装に使用する舗装材であれば、3500万回の走行試験(疲労破壊輪数)に耐えなければならない。試験を終えるまで少なくとも数年かかるとされ、長寿命舗装など付加価値のある新たな舗装材がタイムリーに導入されにくい、大きな要因になっているという。
 国交省では、新技術・新材料の導入などにより、ライフサイクルコストの低減を目指す、「次世代の舗装マネジメント」といった新たな考え方を打ち出しており、社会ニーズも踏まえ、技術基準を見直すこととした。
 基準の見直しに際しては、四つの性能指標(疲労破壊輪数、塑性変形輪数、平たん性、浸透水量)の在り方についても検討を加える。供用に伴い性能が低下するといった考え方も明確にし、舗装のライフサイクルコストをより正確に把握し、比較検討できるようにする。全体のさらなるコスト縮減、脱炭素化社会の実現にもつなげる。

提供:建通新聞社