国土交通省は、都道府県の入札契約担当課長らを集めて行う2023年度上期ブロック監理課長等会議を5月29日から全国8ブロックで開く。建設業への時間外労働の上限規制適用まであと10カ月となったことを踏まえ、現場の週休2日の徹底を改めて強く呼び掛ける。技能者への賃金の行き渡りやダンピング対策の徹底についても意見を交わす。
週休2日の定着に向けては、地方自治体の発注工事や直轄営繕工事での週休2日の達成率などを紹介。取り組みが進んだ自治体から聴取した理由を共有し、好事例の横展開につなげる。週休2日工事については発注者指定型の対象を広げる方向で実施するよう、強く求める。建設業技術者センターがまとめた週休2日の推進に向けた調査研究も紹介する。
技能者への賃金の行き渡りでは、今春の国土交通大臣と建設業団体の意見交換で、技能者の賃金のおおむね5%上昇という目標を申し合わせたことや、公共工事設計労務単価が11年連続で上昇したことを説明。持続可能な建設業へ、賃上げなど技能者の処遇改善を通じた担い手の確保が最優先課題であると伝え、理解を求める。
さらに、賃上げの原資となる請負代金を適切に確保するため、ダンピング受注の防止に向けた取り組みの強化徹底も促す。具体的には、低入札調査の実効性を確保するとともに、調査基準価格を下回った金額で入札した者が落札しづらくなる評価制度(施工体制確認型総合評価制度など)の活用、低価格受注に対する履行確保措置を徹底していく。
会議は、5月29日に広島市で開く中国ブロックを皮切りに、▽九州・沖縄(30日、福岡市)▽北陸(31日、新潟市)▽四国(6月1日、高松市)▽近畿(6日、大阪市)▽東北・北海道(8日、札幌市)▽中部(14日、名古屋市)▽関東甲信(16日、さいたま市)―の日程で開催する。
提供:建通新聞社