総務省の2022年4月時点の調査で、人口1万〜3万人の市町村で建築技師の職員を配置できていない割合が約半数を占めることが分かった。同規模の自治体で土木技師を配置できていない割合も2割強あった。総務省が建築・土木系の技術職員を配置していない自治体にアンケートを行ったところ、技術的な業務に事務職を充てたり、外部委託で対応している実態が見られた。
建築技師、土木技師は公務員として採用する際の区分で、資格の有無は問わない。いずれも、小規模な自治体ほど配置数が「0人」との回答が占める割合が大きい傾向があった。人口2000人未満の自治体では、建築技師は9割弱、土木技師も8割弱で配置できていなかった。
建築技師と土木技師、農林水産技士のいずれの職員もいない自治体は433市町村あった。こうした自治体を対象にアンケートを実施したところ、大学で技術系を専攻していた事務職員が土木関連業務を担っていたり、大規模事業に関しては民間委託しているとの回答があった。都道府県からの職員派遣により対応する例もあった。
技術職員を採用できていない理由には、小規模市町村では技術職に限定しても応募がないこと、採用しても民間企業へ転職してしまうことが挙げられた。
こうした現状に対し、総務省は20年度に都道府県から市町村への技術職員の派遣制度を導入。平時のインフラ管理、災害時の復旧・復興支援の要員確保に対応しているという。
提供:建通新聞社