環境省は、過去に例のないような危険な暑さに対する「熱中症特別警戒情報」について、まずは都道府県単位での発表とする方針案をまとめた。5月22日に開いた専門家会合で提示した。気温と湿度、日差しに基づく暑さ指数(WBGT)を基本に、救急搬送体制なども参考にしながら発表基準を定める。熱中症による死亡者数が増加傾向にある中で、屋外活動などへの注意喚起を強化する。
環境省では、危険な暑さが予測される場合、前日に警告する「熱中症警戒アラート」を2021年度から開始。今国会で成立した改正気候変動適応法により、アラートを「熱中症警戒情報」として法的な裏付けを与えるとともに、現行を上回る「熱中症特別警戒情報」を発表できるようにした。
法が施行される24年度に向けて、環境省は発表基準などを話し合う有識者会議を設置。現行アラートと同様、予測値に基づいて前日に発表するとの方向性をまとめた。
特別警戒情報が発表されると、市町村が指定する公民館や図書館など冷房を備えた施設を一般に開放することもできるようになる。
提供:建通新聞社