東京都や仙台市など、全国81地域で国家公務員宿舎が不足していることが分かった。特に東京23区では、単身者用宿舎を中心に3804戸分が不足。これに加えて老朽化も全国的に進行しており、リノベーションや集約建て替えにより必要な宿舎の確保を目指す。財務省が5月18日に開いた審議会の分科会で説明した。
特に不足の大きな地域と不足数を見ると、▽東京23区(3804戸)▽仙台市(392戸)▽石垣市(344戸)▽札幌市(279戸)▽熊本市(269戸)―などとなっている。東京23区では近接市町村の宿舎を活用しても約3300戸の不足が見込まれるという。
さらに、全国の約16万戸の国家公務員宿舎のうち、1割以上に当たる約1万8200戸で築50年が経過。10年後には築50年以上の宿舎が約4万7600戸に増加すると見込まれ、対策が課題となっている。
こうした現状を踏まえ、災害対応に当たる職員が利用する老朽宿舎や、都市部で十分に容積率を活用できていない宿舎については、集約化して建て替えることを検討する。可能な場合はPFI事業などで民間ノウハウを取り入れ、防災施設や福祉施設など地域ニーズに合致した施設を併設する。
集約建て替えが困難な宿舎については、築40年以上の建物を対象にリノベーションを推進。コンセント増設や和室の洋室化も進める。
この他、脱炭素化に貢献するため、30年度までに設置可能な宿舎の50%以上に太陽光発電設備を設置するとした。
提供:建通新聞社