国土交通省は、水管理・国土保全分野のインフラのデジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けて、流域治水データプラットフォーム(仮称)を構築する。施工管理や施設の巡視点検、防災など多様な分野のアプリ・システムとの連携も見据えている。まずは、ベースとなる3次元データの河川情報基盤の整備を進める。
流域治水の推進には、河川管理者だけでなく沿川の自治体など流域の関係者間の連携が欠かせない。データプラットフォームを整備することで、多くの関係者が河川に関する情報にアクセスし、治水対策などに有効利用できるようにする狙いがある。
流域治水データプラットフォームの構成はこうだ。ベースとなるのは、巡視・点検や工事のデータ、河川現況台帳、浸水図といった各種データと接続し、一元的に利用できるようにしたデジタル地図の河川情報基盤。この基盤を国交省の職員や建設業、一般の個人・企業などが利用できるよう、官民が提供する施工管理や巡視点検、防災などの各種アプリ、除草機械やドローン制御などのシステムと連携するイメージだ。建設分野では、工事の受発注者の双方の生産性向上につなげる。
現時点は、荒川など一部の河川で3次元河川管内図を整備し、浸水図データなどの重ね合わせを具体化した段階。2023年度は、全国を対象とした河川情報基盤の構築を見据え、工事・業務などの成果物を納品する際のルールとなる標準様式を整える。こうした様式に沿ったデータを蓄積し、柔軟にできるような情報基盤を実現する。各地方整備局と連携し、先行事例の検討も引き続き進める。
提供:建通新聞社