経済産業省は、2023年版の中小企業白書・小規模企業白書をまとめた。中小企業・小規模事業者が賃上げするには、物価高に対応した価格転嫁と、生産性の向上が重要になるとした。
白書では、中小企業の賃上げについて、実施企業の割合が20年の38・2%から、21年に45%、22年に52・6%へと継続的に拡大していることを紹介。ただ、業績が改善していなくても、人手不足などでやむを得ず賃上げを迫られている「防衛的な賃上げ」が含まれている他、賃上げがそもそも難しい企業も一定程度存在するとした。その上で、賃上げの原資を確保するには、取引適正化を通じて価格転嫁を進めるとともに、生産性向上に向けた投資が必要だとした。
また、中小企業・小規模事業者が、特に地方で雇用の受け皿などとして重要な役割を果たしていることを指摘。こうした地域が持続的に発展するためにも、事業者と自治体の連携が重要になるとした。地域が抱える課題に対し、企業の側から解決のための企画・アイデアを提案する「逆プロポーザル」を好事例として示した。
提供:建通新聞社