日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)は、2023年度の国土交通省の各地方整備局などとの意見交換会を、5月15日の関東地区を皮切りに、6月15日までの日程で、全国9地区で開催する。建設業が直面している課題を踏まえ日建連では、@担い手確保に向けた新4K(給与・休暇・希望・かっこいい)の実現A技術者の時間外労働時間の上限規制への対応B社会資本整備の着実な推進と重要性の発信―を重点方針として意見交換に臨む方針だ。
それぞれの重点方針の中身はこうだ。
「新4Kの実現」では、建設技能者の処遇改善と担い手確保に向け、建設キャリアアップシステム(CCUS)の一層の普及を促進。技能に応じた賃金水準の確保とともに、設計労務単価の引き上げに連動し、他産業を上回る給与水準を実現する。また、週休2日を当たり前のものとして育ってきた若者世代の入職促進のため、週休2日の業界全体への拡大を目指す。さらに、「希望」が持て「かっこいい」と感じられる業界に変革するためにもDXの普及を加速化し、建設業の魅力を発信する。
「技術者の時間外労働」については、24年4月に迫った上限規制について、喫緊の課題として対応するとともに、「働き方を改革する千載一遇の好機」として、現場業務の効率化や適正な工期設定などを強化する。技術開発による生産性向上を図るともに、4週8閉所や完全週休2日を推進する。さらに、民間工事も含む適正な請負代金と工期設定につなげる。
「社会資本整備の着実な推進」では、国土強靱(きょうじん)化と盤石なインフラの整備、維持・管理に資する事業を遂行。良質な社会資本整備のために、DXによって生産性を高めて十分な施工能力を確保し、着実な事業執行に対応する。さらに、社会基本整備の重要性に関する広報に努め、公共事業費の安定的・持続的な確保を国民に訴える。
日建連では、これらの重点方針に基づき「働き方改革と担い手の確保」「品確法の的確な運用」「生産性向上」「公共工事の適正かつ効率的な実施」をテーマに意見交換する方針だ。
各地区での意見交換会の開催日程は次の通り。
▽関東地区―5月15日▽東北地区―5月22日▽中国地区―5月25日▽四国地区―5月26日▽北陸地区―5月31日▽関西地区―6月5日▽中部地区―6月7日▽九州地区―6月9日▽北海道地区―6月15日
提供:建通新聞社