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中央ニュース

2023/05/08

スランプ全数計測 全国の直轄土木で試行

 国土交通省は、工事現場で生コンクリートの柔らかさ(スランプ)を確認するサンプリング検査で、AIの画像解析による全数計測手法を導入する。これに向け、2023年度に全国の直轄土木工事10現場程度で試行する。現場の省力化、生産性向上の取り組みとして、24年度以降の本格運用を目指す。
 スランプ計測は、生コン工場から出荷され現場に運び込まれた生コンのスランプが、品質管理の観点から決められた基準値の範囲内にあるかどうかを確かめるもの。現行のやり方では、工事監督官や試験者(生コン生産者)、販売店の立ち会いが必要で、現場ごとに生コン車を特定し計測している。工事の規模や内容にもよるが生コン車5台ごとに計測が必要になる現場もあるとされる。
 AIによる画像解析を導入することで、スランプの全数計測が可能になる他、大勢での立ち会いが不要となる。具体的には、生コン車のシュートから流れ出る生コンを撮影する機器を現場構内に設置し、生コンが目標スランプ値の範囲にあるかをAIで自動判定する。
 同解析技術は、新技術官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)の一環となる「建設現場での生産性を向上するための革新的技術導入・活用プロジェクト」で検討・開発した。
 PRISMで有効性が確認されたため、全国の直轄土木工事で試行し、さらに導入効果や成果データを把握。今後作成する全数計測手法の品質管理基準案に反映していく。
 基準案の作成に向けては、建設業団体や有識者を交えた「ICT等を活用した試験の管理基準検討WG」などで、計測方法の考え方、最適値などを探っていく。

提供:建通新聞社