経済産業省と環境省は4月24日、再生可能エネルギー設備の適正な廃棄・再利用方策を検討する有識者会議の初会合を開いた。特に、再エネの固定価格買取制度(FIT)で急速に普及し、2030年代に大量廃棄が見込まれる太陽光発電パネルの取り扱いが焦点となっており、対応策を検討する。
FITの開始以降に運転を開始した太陽光発電は住宅用が177万件、非住宅が約68万件に上り、一斉に整備された発電パネルが今後、順次寿命を迎える。廃棄量は35〜37年ごろにピークとなり、年間約17万〜28万dが排出されると見込まれる。発電事業者による適正廃棄を担保するため、昨年には廃棄費用の積立制度が始まった。
ただ、有害物質が含まれるパネルもある他、不適正に処理しようとすると火災・感電などの恐れもある。検討会では、安全に解体し、可能な限り部材をリサイクするための方策を議論する。
24日の初会合では、現状の設置形態や規模別の導入状況を整理し、今後の排出量に関する見込みの精度を高めるとの論点が示された。また、リサイクル施設や管理型処分場の受け入れ可能量を考慮すべきとの論点も出た。不適切に管理されたパネルへの対処や、発電事業者が廃棄を放棄した場合の対応も議論していく。
太陽光発電パネルの他、風力発電の風車などの処分方法も検討対象とする。特に、小型風力発電については、所有者が不明で放置されている設備の法令上の取り扱いがポイントとなる。
検討会の委員長には村ゆかり東京大学教授が就いた。
提供:建通新聞社