出入国在留管理庁などは、外国人技能実習生を受け入れている現場の監査に適正に協力するよう、建設業団体に要請を行った。外国人技能実習機構や監理団体が検査・監査のため建設現場に入構しようとして拒否される事例が発生したことを受け、元請け建設業者に対処を求めた。
出入国在留管理庁と厚生労働省、外国人技能実習機構の連名で4月4日付で要請した。送付先は日本建設業連合会、全国建設業協会、全国中小建設業協会、建設産業専門団体連合会と各専門工事団体など。
技能実習制度では、実習を実施する事業者に対して国や外国人技能実習機構の職員が実地検査を行う。また、団体監理型の場合は監理団体に実地監査が義務付けられている。しかし、外国人技能実習機構や監理団体の職員が現場に入ろうとした際、安全確保を理由として入構を拒否される事例が「相当程度見られる」状況にあるという。
要請文では元請けに対し、技能実習生が実際に作業を行っている様子を確認できる場所への立ち入りを認めるよう求めた。また、技能実習生や実習実施事業者へのヒアリング・書面調査を行う場所の確保、元請けの現場代理人へのヒアリングにも協力を呼び掛けている。
また、実習実施体制の不備や、技能実習生の違法な派遣、コミュニケーション不足による技能実習生へのパワーハラスメントといった課題が生じている現状も指摘し、元請けに配慮を促した。技能実習生の労働災害を防止するため、日本人労働者と同様に各種保護具を提供し、適切に使用するよう指導することも求めた。
提供:建通新聞社