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2023/04/12

建設業の倒産2割増 物価、人手不足が重荷

帝国データバンクの調査によると、2022年度に発生した建設業の倒産は1291件で、前年度から19・1%増となった。経済活動の再開に伴う資材価格の高騰と人材不足の深刻化が影響し、工期がずれ込む悪循環が発生していると分析。コストの増加分を価格に転嫁できない中小零細規模を中心に、「倒産リスクが高まる」とした。
 建設業の倒産件数は、コロナ禍を受けた政府の無利子無担保融資などの資金繰り支援もあって大幅にダウンし、21年度には過去20年間で最少を更新した。その後、経済活動の再開に伴って物価上昇が顕在化。22年7月には建設業の倒産要因の1割超を「物価高」が占めるに至ったという。22年度通期で見ると、物価高を理由とした建設業の倒産は94件で、前年度の4・5倍と大幅に増えた。また、全産業中で見ても、物価高倒産が製造業に次いで2番目に多かったという。
 さらに、飲食・宿泊業などの復調に伴い、人手不足が再度深刻化。人手不足により倒産した建設業は7・9%増の41件となり、全産業中で最も多かった。建築士や施工管理技士など、業務遂行に不可欠な有資格者の離職により事業運営が困難になったケースも目立ったという。
 建設業は中小零細を中心として、コロナ禍で無利子無担保融資を利用した企業も多い。今夏に返済のピークを迎えることから、帝国データバンクは倒産リスクが高まるとの見方を示した。

提供:建通新聞社