国土交通省と総務省は、入札契約適正化法に基づく、入契手続きに関する実態調査の結果を受け、地方自治体に対して、適正化に向けた取り組みを着実に進めるよう強く促している。今回の調査では、工期設定で休日を考慮している市区町村が全体の半数にも満たなかったことが判明。建設業への時間外労働の上限規制適用まで1年を切ったことも踏まえ、4月5日に2省連名で都道府県と政令市に通知した。市区町村へは都道府県から周知する。調査結果を受けての通知は異例としている。
工期の設定については、入札契約適正化指針に定められている「公共工事に従事する者の休日(週休2日、祝日、年末年始、夏季休暇)」を各発注機関が考慮しているかどうかを調査した。
「考慮している」と回答した団体の割合を発注機関別に見ると、国関係が73・7%、特殊法人が92・6%、都道府県が97・9%、政令市が100%となった。
一方、市区町村は48・1%と前年調査より4・1ポイント増えたものの、5割に届かなかった。
入契調査は、国交省、総務省、財務省の3省が公共工事の全発注機関を対象に実施。国19機関、特殊法人など121法人、地方自治体1788団体(47都道府県、20政令市、1721市区町村)が回答した。
全体としては、ダンピング対策が進展したものの、工期設定やスライド条項の運用に課題があることが明確になった。通知と併せて、ブロック監理課長会議や都道府県公契連などを通じて、入札契約適正化の自治体への要請を強めていく構えだ。
提供:建通新聞社