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2023/03/09

価格転嫁へ協議の場を 民間発注者らに要請

 国土交通省は、労務費や原材料費、エネルギーコストなどの価格上昇分を適正に請負代金に反映するため、契約上優位な立場にある者が協議の場を設けるよう、民間発注者らに促している。公正取引委員会による「独占禁止法の優越的地位の乱用」に関する緊急調査の結果を踏まえ、不動産デベロッパーなど主な民間発注者団体や建設業団体、地方自治体に要請した。
 公取の調査では、民間や地方自治体の発注工事での受発注者間、元下間などの契約で、価格転嫁の協議が滞っている実態が見られた。協議が滞っている理由について、発注者の多くが「受注者から価格引き上げの申し入れがなかった」などと回答した。一方で、受注者からは「取引を切られてしまうなど受注に与える影響を考えると、実際に申し出ることは難しい」といった声が聞かれた。
 公取では、こうした調査結果も受けて、「価格交渉のための協議の場を設けない」「価格転嫁をしない理由を書面などで回答せず価格を据え置く」といった行為について、「優越的地位の乱用」に該当する恐れがあるとの解釈を示した。その上で@契約上立場の強い元請けを含む発注者が積極的に協議の場を設けることA価格転嫁をしない場合に、その理由を書面や電子メールなど形に残る方法で下請けを含む受注者に伝えること−が適切とした。
 国交省では、公取の考えに沿って、発注者側から積極的に協議の場を設けることが、円滑な価格転嫁を進めるためにも重要と判断。民間発注者や元請けとなる建設企業に対して、積極的に協議の場を設けることなどを要請した。
 この他。地方自治体には、スライド条項の適切な運用と受注者への周知をあらためて求めた。

提供:建通新聞社